スペイン語の発音は、日本人にとって世界でいちばん有利な部類です。原則は「ローマ字読み」——書いてある通りに読めば9割通じます。覚えるのは例外の子音とアクセントの規則だけ。このページは原則 → 文字の名前 → 母音 → 例外の子音(口の断面図つき)→ つづり→音の早見表 → アクセントの順に並んだ、「読んで、すぐ聴いて確かめる」発音ガイドです。🔊を押しながら進めてください。
原則 — ローマ字読みでいい
(家=カサ)、(トマテ)、(アミーゴ)。母音は日本語と同じ「アエイオウ」の5つだけで、英語のようなあいまい母音はありません。カナ発音がそのまま実戦で機能する、数少ない言語です。
アルファベット27文字の読み方
スペイン語のアルファベットは、英語の26文字に ñ を加えた27文字。文字の名前は、予約やチケットの照会でスペルを伝える・聞き取るときに使います(¿Cómo se escribe?——どう綴りますか?と聞かれたら、この名前で答えます)。押すと発音が聞けます(色付きは母音の5文字)。
覚えどころは3つ。b と v は同じ音なので、口頭では be larga(長いベ=b)と uve(v)で呼び分けます。y の正式名は ye ですが、旧称の i griega(イ・グリエガ=ギリシャの i)も現役で、中南米では w を doble ve と呼ぶ地域もあります。かつて独立した文字だった ch と ll は、2010年の正書法改定でアルファベットから外れました——古い辞書と並びが違うのはこのためです。
母音は5つだけ — そして揺れない
母音はア・エ・イ・オ・ウの5つだけ。英語と違って、どの単語のどの位置に現れても同じ音で、長短の区別もあいまい母音もありません。ここがスペイン語の発音が日本人に有利な最大の理由です。
que・qui・gue・gui の u だけは読まない(下の早見表へ)
母音が2つ並んだら、切らずになめらかにつなげて1拍で読みます(二重母音)。gracias が「グ・ラ・シ・ア・ス」の5拍でなく「グラ・シアス」と縮むのはこのためです。
例外の子音 — これだけ覚える
j はハ行、h は読まない
(日本=ハポン)、(生ハム=ハモン)。逆に h は無音で、 は「オラ」、 は「オテル」です。
j・ge・gi — jamón / gente
- 唇自然に開く
- 歯触れない
- 舌奥を上あごの柔らかい所へ近づける(付けずにすき間を残す)
日本語の「ハ」より奥でこすれる音。強くこすっても通じる
ll と ñ
ll は「ジャ/ヤ」の間の音: (パエジャ)、(鍵=ジャベ)。ñ は「ニャ」: (エスパニャ)、(明日=マニャナ)。地域や人で「ジャ寄り/ヤ寄り」の揺れがありますが、どちらでも通じます。
ll・y — paella / playa
- 唇自然に開く
- 歯触れない
- 舌前寄りの面を上あごに広く付け、離しながら出す
「ジャ」寄りでも「ヤ」寄りでも通じる(地域差の範囲)
ñ — España / mañana
- 唇自然に開く
- 歯触れない
- 舌ll と同じ所に付ける(付けたまま声を出す)
息は鼻へ抜ける。日本語の「ニャ」でほぼ同じ
c と z — スペインは英語の th
(ビール)。スペイン本国では ce・ci・z を舌先を軽く噛む th の音で発音します(セルベサでなく「セルベθァ」に近い)。中南米では s の音なので、サ行で言っても問題なく通じます。 も同様です。
TH — think / this(西 ce・ci・z も同じ)
- 唇力を抜いて自然に
- 歯上の歯で舌先を軽く押さえる
- 舌舌先を歯の間から少しだけ出す
息だけなら think、のどを震わせれば this。サ行で代用すると sink に聞こえる
g・qu・v
ge・gi はハ行: (人々=ヘンテ)。それ以外はガ行: (猫=ガト)。qu は k の音: (チーズ=ケソ)。v は b と同じ音: (ワイン=ビノ)——「ヴ」の音はスペイン語にはありません。
B・P・M — berry(西の v もこの形)
- 唇上下の唇をいったん閉じ、開くと同時に音を出す
- 歯使わない
- 舌使わない(力を抜く)
スペイン語の v はこの形。英語の V(歯と唇)とは別物なので混ぜない
rr の巻き舌 — できなくても大丈夫
(犬)と (でも)。rr は巻き舌ですが、できなくても文脈でまず通じます。日本語の「ら行」を強めに弾けば十分。練習するなら「とろろ」を早口で言う要領で舌を震わせてみてください。
rr・語頭の r — perro / Roma
- 唇自然に開く
- 歯触れない
- 舌舌先を上の歯ぐきに軽く当て、息の力で震わせる
力むと止まる。「とろろ」を早口で言う要領。できなくても文脈で通じる
つづり→音の早見表
ここまでの規則を1枚にまとめました。スペイン語のつづりと音の対応は、この表で全部です。読み方に迷ったらここへ戻ってください。
スペイン本国は舌先を噛む th の音(サ行でも通じる)
u は読まない
ce・ci と同じ音(本国は th)
u は読まない(güe・güi なら グエ・グイ: pingüino)
単独・語末では「イ」(y =〜と、hoy オイ)
語頭では巻き舌になる(Roma)
México は例外的にハ行(メヒコ)
アクセントの規則 — 3つで全部
①母音・n・s で終わる語は後ろから2番目を強く: (トマテ)、(グラシアス)。②それ以外の子音で終わる語は最後: (オテル)、(マドリ)。③アクセント記号があればそこが最優先: (カフェ)、(エスタシオン)。例外のない、気持ちいいほど規則的な言語です。
練習の回し方
ローマ字読みができる時点で、あなたはもうスペイン語を「読めて」います。あとはフラッシュカードで回すだけ: カードをめくる → 🔊で聴く → 声に出す → 🐢でゆっくり確認 → 言えたら「覚えた」。挨拶の から始めれば、今日から口が回り始めます。




