出発前の空港ターミナル Airport terminal before departure

ETIAS(欧州渡航認証)完全ガイド — いつから必要・申請方法・EESとの違い

PHOTO: TRAVELERS ROUTE

ヨーロッパ短期旅行に必要となる渡航認証ETIASを解説。ビザとの違い、いつから必要か、申請方法・費用・有効期限、EES(出入国システム)との違い、最新情報の確認方法まで。

Travelers Route  /  記事

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ヨーロッパ(シェンゲン圏)への短期旅行に向けて、日本人にも新たに必要となるのがETIAS(エティアス/欧州渡航情報認証制度)です。これはビザではなく、事前にオンラインで申請する「渡航認証」。ポルトガル・スペイン・フランス等のシェンゲン諸国に短期滞在する際、出発前の取得が求められるようになります。本記事では、ETIAS とは何か、いつから必要か、申請方法・費用・有効期限、そして関連する EES(出入国システム)との違いまで、最新状況の確認方法とあわせて整理します。

⚠ 重要:本記事の制度情報は2026年7月時点のものです。開始日はまだ公式に発表されていません——2026年中の運用開始が見込まれている段階で、細部の運用も変わり得ます。渡航前に必ず ETIAS公式サイト(EU)で、自分の渡航日時点での要否と最新の運用を確認してください。

ETIAS と EES の違い ETIAS 渡航認証 — 出発前 オンラインで自分で申請する ビザ免除の旅券だけが対象 €20 / 3年有効(開始後) まだ始まっていない EES 出入国システム — 到着時 国境で顔写真と指紋を登録 全員が対象(ビザ保持者も) 申請不要 / 無料 全面稼働中(2026年4月10日〜) いま必要な行動 — ETIAS は開始前なので申請できない(代行を名乗るサイトに注意)。 EES は準備不要だが、初回は登録に時間がかかるため入国審査の列に余裕をみておく。
ETIAS と EES は別物(2026年7月時点。開始前に必ず公式サイトで最新情報を確認)

ETIAS とは — ビザではなく「渡航認証」

ETIAS は、これまでビザなしでシェンゲン圏に入れた国(日本を含む約60の国・地域)の旅行者を対象に、入国前にオンラインで事前審査を行う仕組みです。米国の ESTA に相当すると考えると分かりやすいでしょう。観光・短期商用・乗り継ぎなどの短期滞在(180日間のうち最大90日)が対象で、就労や長期滞在には別途ビザが必要です。

いつから必要? — 開始日は未発表、2026年中の開始見込み

ETIAS は当初の予定から複数回延期されており、EU は開始日をまだ公式に発表していません(2026年8月時点・EU 公式サイトで確認)。2026年中の運用開始が見込まれてはいるものの確定した日付ではないため、ネット上に出回る「◯年◯月開始」は鵜呑みにしないでください。EU は「開始の数か月前に具体的な日付を告知する」と公式に明示しているので、いま前もって申請することはできません——告知を待つのが正解です。先行する出入国管理システム EES はすでに全面稼働済みです(後述)。また、ETIAS の開始後は6か月以上の移行期間が設けられ、移行期間中は ETIAS 未取得でも入国を拒否されることはありません(航空会社に搭乗を拒否されることもありません)。とはいえ「自分が行く時に必要かどうか」は時期次第で変わるため、旅程を決めたら公式情報で確認するのが鉄則です。

申請方法・費用・有効期限の目安

スマートフォンの搭乗券と発着案内 Digital boarding pass on a phone at the departures board
渡航認証は搭乗前に確認される — 申請はオンラインで完結する — PHOTO: Tumisu / Pixabay
  • 申請: EU 公式サイト/公式アプリからオンラインで。パスポート情報・渡航先・簡単な質問に回答
  • 費用: 1回の申請につき€20(2026年7月時点。2025年7月に欧州委員会が引き上げを発表)。18歳未満と70歳以上は免除。公式に支払うのは€20のみで、非公式の代行サイトは手数料を上乗せして割高になるため必ず公式から申請する
  • 所要: 大半は数分〜数時間で承認され、遅くとも4日以内に結果が出る。追加審査になった場合は最長でさらに30日かかることがある(2026年7月時点)。直前ではなく余裕をもって申請
  • 有効期限: 取得後3年間(またはパスポート有効期限のいずれか早い方)有効で、期間内は何度でも渡航可(2026年7月時点)
  • パスポート紐付け: 認証はパスポートに紐づく。パスポートを更新したら取り直しが必要

※ 上記は 2026年7月時点の EU 公式発表に基づきます。運用開始までに細部が変わる可能性があるため、申請前に公式サイトの最新情報も必ず参照してください。

EES(出入国システム)との違い — こちらはすでに全面稼働

混同しやすいのが EES(Entry/Exit System)。EES はシェンゲン圏の国境で顔写真・指紋を登録する電子的な出入国管理システムで、旅行者が事前に申請するものではありません(国境で手続き)。EES は 2025年10月12日に導入が始まり、2026年4月10日にすべてのシェンゲン加盟国の国境で全面稼働済みです(2026年7月時点)。これに伴いパスポートへの入国スタンプは廃止され、初回入国時に顔写真と指紋4本の登録が必要になりました(12歳未満は指紋の登録不要)。初回登録には時間がかかるため、乗り継ぎや入国審査の列には余裕をもって臨むこと — これが今年の夏にシェンゲン圏へ渡航する人にとって最も重要な実務ポイントです。一方 ETIAS は出発前に旅行者自身がオンラインで取得する渡航認証。両者は別物ですが、セットで理解しておくと安心です。

出発前チェックリスト

  • 渡航日時点で ETIAS が必要かを公式サイトで確認(開始日は未発表・2026年中の開始見込み。開始後も移行期間あり)
  • 必要なら余裕をもって公式から申請(非公式代行を避ける。公式の費用は€20のみ)
  • EES の初回登録(顔写真・指紋)に備え、入国審査・乗り継ぎの時間に余裕を持たせる
  • パスポート残存期間(シェンゲンは出国時に3か月以上+発行10年以内が目安)を確認
  • 外務省 海外安全ホームページで渡航先の最新の安全情報・入国関連情報を確認
  • あわせて海外旅行保険・通信手段も準備(下記関連記事)

よくある質問

ETIAS はいつから必要になりますか?

EU は開始日をまだ公式に発表していません(2026年8月時点)。2026年中の運用開始が見込まれており、EU は「開始の数か月前に具体的な日付を告知する」としています。開始後は 6か月以上の移行期間が設けられ、移行期間中は ETIAS 未取得でも入国を拒否されません。渡航直前に公式サイトで最新の運用を確認してください。

ETIAS の申請費用はいくらですか?

1回の申請につき €20 です(2026年7月時点。18歳未満と70歳以上は免除)。公式に支払うのはこの €20 のみで、非公式の代行サイトは手数料を上乗せするため、必ず EU 公式サイトから申請してください。

EES と ETIAS は何が違いますか?

EES は国境で顔写真と指紋を登録する出入国管理システムで、事前申請は不要です(2026年4月10日に全シェンゲン国境で全面稼働済み・12歳未満は指紋不要)。ETIAS は出発前に自分でオンライン申請する渡航認証で、両者は別の制度です。

ETIAS の有効期間はどのくらいですか?

取得後3年間、またはパスポートの有効期限までのいずれか早い方です(2026年7月時点)。期間内は何度でも渡航に使えますが、パスポートを更新した場合は取り直しが必要です。

渡航認証は欧州だけではない — 行き先ごとに別制度がある

ETIASばかりが話題になりますが、「出発前にオンラインで済ませる手続き」は行き先ごとに別々に存在します。欧州以外へも行く年は、まとめて確認しておくと当日慌てません。

  • タイ — TDAC(電子入国カード): 全外国人が事前登録必須で、到着72時間前から無料。⚠正規サイトは tdac.immigration.go.th のみで、有料を謳う偽サイトがあります(2026年7月時点)
  • ベトナム — 45日以内はビザ不要(パスポート残存6か月以上・出国便の所持が条件)。2026年4月からタンソンニャット空港で入国事前オンライン申告の試験運用が始まっており、現時点は任意・無料です
  • 共通する注意: いずれも「無料または少額」かつ「公式サイト以外は代行手数料を上乗せする」という構造が同じです。検索結果の上位に代行業者が並ぶ点まで似ているので、URLを必ず確認してください
  • タイミング: ETIASは渡航認証、TDACは入国カードと性格が違いますが、どちらも出発前にオンラインで終わるので、航空券を取った日に片づけるのが確実です

行き先が決まっていない段階なら初めてのヨーロッパ、どこへ行く?から。

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