ベトナムの治安を一言で言うと「凶悪犯罪は稀、だが持ち物からは一瞬も目を離せない」です。⚠外務省の危険情報は現在ベトナムに対して発出されていません(=レベル1すら出ていない状態)。それでもスリ・ひったくり・置き引きは日常的に報告されており、被害の型はほぼ決まっています。型を知れば、その大半は防げます。
この記事は外務省「安全対策基礎データ」の公表内容と、私たちがホーチミンを実際に歩いた記録を突き合わせて、手口・場所・対策を整理したものです(2026年7月時点)。

ベトナムの治安レベル — 危険情報は出ていない

外務省の危険情報はレベル1「十分注意してください」からレベル4「退避してください」まで4段階ありますが、⚠ベトナムには現在どのレベルも発出されていません。これは「治安が良い」と公式に言える最も強い状態です。
統計でも裏付けがあります。ベトナム公安省の発表によると2025年中の犯罪発生件数は47,713件(被逮捕者74,426人)で、治安状況は総じて安定しているとされています。⚠ただし2024年6月にはホーチミン市内で邦人男性が刺殺される事件も発生しており、「安定=ゼロ」ではないことは押さえておいてください。
よくある手口4つ — バイク・ジッパー・置き引き・誘い

① バイクひったくり — 後方から追い越しざまに
ベトナムでもっとも有名な手口です。街中を散策中、後方から近付いてきたバイクに乗った犯人に携帯電話等をひったくられる——携帯電話、セカンドバッグ、アタッシュケース、ポーチ等を持って歩いている人が狙われます。
- ⚠日本人街が中心: ハノイのキンマー地区・リンラン地区、ホーチミンのレタントン地区・タイバンルン地区で事例が確認されています。「日本人が多い=狙われやすい」という構図です
- ⚠夜間の屋外で携帯を使うのが最も危ない: とくにこれらの地域では、夜に屋外で携帯電話を使用する際は十分な注意が必要とされています
- 対策は「車道側で構えない」: 私たちがホーチミンを歩いたときも、スマホは車道と反対側の手で持つのを徹底しました。地図を見るなら立ち止まって建物側に寄るだけで、狙われる隙がなくなります
② スリ — 気付かないうちにジッパーを開けられる
観光客等が訪れる混雑した市場や路上、大規模ショッピングモール、または長距離バスや列車等の公共交通機関の車内で、気付かないうちに携行しているバッグやウエストポーチのジッパーを開けられて財布等を奪われる事案が報告されています。
- バッグは前掛け: 常に目の届くかたちで携帯すること。リュックを背負ったままの人混みが最も危険です
- チャックを施錠する・貴重品と現金は分けて持つ: 「全部入りの1個」を作らないのが基本です
- ⚠カードの二次被害に要注意: 財布内のカードを不正使用される二次的な被害も発生しており、⚠同種犯罪は当地では犯罪として認定されないケースもあります。盗難に気付いたら速やかにカード会社へ連絡を——現地の警察対応を待っていては間に合いません
③ 置き引き — 「一瞬の隙」の作られ方
ホテルや空港のロビー、レストラン、大規模ショッピングモールなど多数の人が出入りする場所で発生しています。⚠特徴的なのは「隙は作られる」ということ——ホテルでのチェックイン手続時や、ロビーで人に話しかけられたときなど、荷物から目を離した一瞬が狙われます。持ち物からは絶対に目を離さないのが唯一の対策です。
④ 誘い系 — 賭博・「お金見せて」・睡眠薬
声を掛けられて始まるタイプの被害です。知らない相手からの誘いに乗らないだけで全部防げます。
- イカサマ賭博: 路上で「必ず勝てる」と声を掛けられ、ポーカー等に誘われた結果として掛金を全て失うケースが多く報告されています
- 「お金見せて」詐欺: 路上で日本のお金を見せて欲しいと声を掛けてきて、紙幣を提示するとその紙幣が盗まれるという手口です
- ⚠賭博は原則として犯罪: ベトナムでは賭博は原則犯罪行為で、日本人街のパチンコ店や麻雀店で賭博行為を行えばベトナム当局の捜査対象になることがあります。被害者ではなく加害者になる類型なので、誘いには決して乗らないこと
- 睡眠薬強盗: 自宅やホテルに女性を連れ込んで飲食をしたところ意識を失い、目覚めると所持金がすべてなくなっていたというケースの報告があります。初対面の人物とは安易に飲食を共にしない
移動と支払い — 現地で私たちがやっていたこと

手口を知ったうえで、実際の旅程に落とすとこうなります。
- 市内移動は配車アプリ一択: Grab なら行き先と料金が先に確定し、路上での交渉が発生しません。⚠SMS 認証だけ日本で済ませておくのが唯一の事前準備です。流しを拾うなら正規系タクシー(VINASUN 等)のみ
- 支払いはカード紐付け: 現金の受け渡しが減るほど、財布を出す回数が減ります。空港→1区は10〜20万ドン目安+空港使用料1〜2万ドン
- 桁を体に入れておく: 通貨はドン(VND)で桁が大きいので、「0を2つ取って半分=円の感覚」(10万ドン≒約600円前後)。金額の判断が速いほど、財布を開けている時間が短くなります
- 交通ルールは「一定速度でゆっくり」: 犯罪ではありませんが、信号のないバイクの川を渡る技術はこの街の実質的な安全対策です。一定速度でゆっくり歩けばバイクが避けてくれます。立ち止まるほうが危ない
よくある質問
ベトナムの治安は良いですか?
外務省の危険情報は発出されておらず、公式には「治安が良い」と言える状態です。⚠ただしスリ・ひったくり・置き引きは頻繁に報告されているので、「凶悪犯罪の心配は薄いが、持ち物の管理は厳しく」が実態に近い理解です。
とくに警戒すべき場所はどこですか?
ひったくりは日本人街(ハノイのキンマー・リンラン、ホーチミンのレタントン・タイバンルン)、スリは混雑した市場・路上・大規模モール・長距離バスや列車の車内、置き引きはホテルや空港のロビー、レストランです。「エリア」より「混雑と油断」が条件になっています。
夜に出歩いても大丈夫ですか?
市街の明るい通りなら普通に歩けますが、⚠日本人街を中心に、夜間に屋外で携帯電話を使用する際は十分な注意が必要とされています。夜に地図を見るなら、店に入るか建物側に寄って立ち止まる——それだけで型を外せます。
盗難に遭ったら何を最優先しますか?
⚠カード会社への連絡です。カードの不正使用は当地で犯罪として認定されないケースもあると明記されているため、現地の手続きを待つより先に止めるのが実務的な最善手になります。旅券を失った場合は在ベトナム日本国大使館・総領事館へ。
被害に遭ったら — 順番を決めておく
盗難に遭ってから調べ始めると、時差と言語で時間を失います。⚠順番だけ先に決めておくと、現地で迷いません。
- 1) カード会社へ連絡 — ⚠カードの不正使用は当地で犯罪として認定されないケースもあると明記されています。現地の手続きを待つより先に止めるのが実務的な最善手です
- 2) 現地警察へ届出 — 保険金の請求には警察の証明が要ることがほとんどです。盗難証明の発行までを1セットと考えてください
- 3) 旅券を失ったら日本国大使館・総領事館へ — 帰国のための渡航書などの手続きが必要になります。⚠旅券のコピーとパスポート写真をクラウドに置いておくと手続きが速くなります
- 4) 海外旅行保険の連絡先 — クレカ付帯か専用保険かで補償範囲が違います。出発前に携行品損害が付いているかだけは確認しておくこと(海外旅行保険の選び方)
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- 旅の全体設計はこちら → ホーチミン観光ガイド
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⚠治安情勢と危険情報は変わります。渡航前に必ず外務省 海外安全ホームページで最新情報を確認してください(本記事の記述は2026年7月28日時点の公表内容に基づきます)。



