カタカナ発音でも、多くの場面で英語は通じます。ただ、つづりの読み方の規則と、日本語にない5つの音・「リズム」を知っているだけで、通じ方は目に見えて変わります。このページは文字の名前 → 母音・子音の読み方 → 迷いやすい音(口の断面図つき)→ リズムとつながりの順に並んだ、「読んで、すぐ聴いて確かめる」発音ガイドです。🔊を押しながら、口を動かして読み進めてください。
アルファベット26文字の読み方
まずは文字の名前から。名前のスペルを伝える、予約番号を聞き取る、座席や搭乗ゲートを確認する——文字の名前を正しく言えて聞き取れることが、発音のいちばん手前の土台です。押すと発音が聞けます(色付きは母音の5文字)。
つまずきどころは決まっています。C はスィー(「シー」だと she に聞こえる)、G のジーと Z のズィー(日本でおなじみの「ゼット」は英国式 zed の名残で、米国では zee)、そして B と V、M と N は電話では特に紛らわしい。だから英語圏では、スペルを伝えるとき B as in Boston(ボストンの B)のように単語を添えるのが世界共通の技です。A は「エー」でなく「エイ」、O は「オー」でなく「オウ」と二重母音になる点も、カナ表記とのズレどころです。
まず「通じない」の正体 — 日本語との3つの違い
英語が聞き取ってもらえないとき、原因はたいてい単語の知識ではなく次の3つです。①日本語はすべての音が母音で終わる(だから cat が「キャット」と3音節になる。英語では1音節)。②英語は強弱のリズムで話す(強く読む場所を外すと単語ごと認識されない)。③日本語にない母音・子音がある(RとL、THなど)。逆に言えば、この3つを意識するだけで発音は大きく前進します。
母音の読み方 — 1文字に2つの顔
英語の母音字(a・e・i・o・u)は、それぞれ「短い読み」と「名前読み」(アルファベットの名前と同じ音)の2つを持ちます。切り替えの合図でいちばん大事なのが cat → cake の変化: 語末の e は自分は読まれず、前の母音を名前読みに変えます(マジック e と呼ばれる規則)。表の2つの例語を聴き比べてください。
語末の e は読まず、前の母音を名前読みに変える(magic e)
短い単語の語末では名前読みになりやすい
強く読まない母音はどの文字でもこの音に落ちる(英語のリズムの正体)
母音の組み合わせ — 2文字で1つの音
母音が2つ並んだら、別々に読まず1つの音になります。代表パターンはこれだけ——ここを押さえると、初めて見る単語もかなり読めるようになります。
ea は「エ」のことも(bread ブレッド)
ow は「オウ」のことも(know ノウ・slow スロウ)
turn も同じ音。口をあまり動かさずこもらせる
子音の読み方 — 顔が変わるのは4つだけ
子音の大半はローマ字の感覚で読めます。読み分けが要るのは c・g・s・y の4つ。いずれも「後ろに来る文字」で顔が決まります。
e・i・y の前では「ス」
e・i・y の前では「ヂ」になりやすい(get のような例外あり)
母音に挟まれると濁ることが多い
語末では母音になる(city の最後は「イ」)
そして、2文字で1つの音になる組み合わせと、書いてあるのに読まない黙字。カタカナ英語のズレはここでもよく起きます。
school のように「ク」と読む語もある
出し方は下の「迷いやすい音」で聴き比べ
最後の「グ」を強く言わない
write の w、climb の b も読まない
日本人が迷いやすい音ベスト5 — 口の形と聴き比べで掴む
① R と L
と (米と、シラミ)。R は舌をどこにも付けず、口の奥へ引いてこもった音。L は舌先を上の歯茎にしっかり付ける。日本語のラ行はLに近い弾き音なので、意識すべきはRのほうです。/、旅で頻出の / でも練習を。
R — rice / right
- 唇少し丸めて前に突き出す
- 歯どこにも触れない
- 舌奥に引いて、どこにも付けない
舌がどこかに触れた瞬間に L になる。日本語のラ行は付いてしまうので注意
L — lice / light
- 唇力を抜いて自然に開く
- 歯触れない
- 舌舌先を上の歯ぐき(歯の付け根)にしっかり付ける
付けたまま声を出すのがコツ。離すのが早いとラ行に戻る
② TH — 舌先を軽く噛む
(考える)と (沈む)。THは舌先を上下の歯で軽く挟んで息を出す音で、サ行で代用すると別の単語になります。、 — 旅の必須語に多いので投資価値が高い音です。
TH — think / this(西 ce・ci・z も同じ)
- 唇力を抜いて自然に
- 歯上の歯で舌先を軽く押さえる
- 舌舌先を歯の間から少しだけ出す
息だけなら think、のどを震わせれば this。サ行で代用すると sink に聞こえる
③ V と B
(とても)と (ベリー)。V は上の歯を下唇に当てて震わせる音。バ行(両唇を閉じる)とは口の形が違います。、 など旅行語彙で頻出です。
F・V — food / very
- 唇下唇を軽く内側へ引く
- 歯上の歯を下唇に当てる
- 舌使わない(力を抜く)
息だけなら F、のどを震わせれば V。両唇を閉じると B・H になってしまう
B・P・M — berry(西の v もこの形)
- 唇上下の唇をいったん閉じ、開くと同時に音を出す
- 歯使わない
- 舌使わない(力を抜く)
スペイン語の v はこの形。英語の V(歯と唇)とは別物なので混ぜない
④ F と H
(食べ物)と (フード)。F も上の歯を下唇に当てる(Vの無声版)。「フ」(両唇の息)で代用すると hood 側に聞こえます。、 で確認を。F の口の形は上の V と同じで、のどを震わせないだけです。逆に H はどこも触れません。
H — hood / hot
- 唇次に来る母音の形にしておく
- 歯触れない
- 舌どこにも付けない
のどの奥から息を出すだけ。※スペイン語の h は読まない(hola=オラ)
⑤ 「ア」に聞こえる母音は3種類ある
(口を横に開く æ)、(短くあいまいな ʌ)、(口を大きく開けて伸ばす ɑー)。カタカナではぜんぶ「ア」ですが、英語では別の母音です。 と を聴き比べると違いが掴めます。
æ — cat・bath の「ア」
- 唇横に引いて平たく
- 歯指1本ぶんくらい開く
- 舌前寄りで低く構える
「エ」と「ア」の中間を狙う。口を縦に開けすぎると cut の音に寄る
ʌ — cut・bus の「ア」
- 唇丸めず自然のまま
- 歯少しだけ開く
- 舌真ん中で力を抜く
短くあいまいに。口をあまり動かさないのが正解
ɑー — cart・park の「アー」
- 唇縦に大きく開く
- 歯指2本ぶんくらい開く
- 舌奥で低く沈める
のどの奥から長めに。3つの中でいちばん口が開く
語尾の子音に母音を足さない
は「キャット」ではなく1拍です。語尾の t・d・k・p は「寸止め」でよく、「ト」「ド」と母音を足さないのがコツ。、、 を聴くと、語尾がほとんど聞こえないことがわかります。カタカナ英語が通じない最大の原因はここです。
強弱のリズム — 強く読む場所がすべて
は「バナナ」と真ん中だけ強く、他はあいまいに。 は後ろ、 は前が強い。強勢の位置を外すと、正しい音でも通じないことがあります。文でも同じで、 では coffee と please だけが立ち、Can I have a は弱く流れます。カナ発音を読むときも「どこを強くするか」を🔊で確かめてください。
つながる音 — Can I は「キャナイ」
英語は単語同士がつながります。 は「キャン・アイ」ではなく「キャナイ」、 は「アナポー」に近い。自分で言える音は聞き取れるようになるので、聞き取り対策としても効きます。、 も定番のつながりです。
カナ発音との付き合い方・練習の回し方
当サイトのカナ発音は「思い出すための補助輪」です。初めて覚えるときは必ず🔊で耳を通し、カナは復習時のトリガーに使う——この順序なら、カナの弱点(上の5音とリズムが表現できない)を耳が補ってくれます。練習はフラッシュカードが最適です: カードをめくる → 🔊で聴く → 声に出す → 🐢でゆっくり確認 → 言えたら「覚えた」。通じなかったときの立て直しは、ゆっくり言い直す・単語で区切る・最後はスペルを言う(B as in Boston)の3段構えです。


