シントラ日帰りの罠
シントラは「リスボン近郊で半日あれば行ける」と紹介されがちですが、実態は違います。3つの主要王宮(ペーナ宮殿・ムーア人の城跡・シントラ宮殿)を1日で網羅するのは物理的に不可能です。
理由は3つ:
- 山地に分散している — 王宮間の移動は徒歩30分以上 or バス待ち時間が長い
- 入場制限の予約必須 — ペーナ宮殿は時間指定チケット制
- 観光客の集中時間帯 — 11時〜14時は階段・回廊で前進不可能
本稿では「ペーナ宮殿+ムーア人の城跡」の2宮殿に絞った3時間圧縮ルートを提案します。シントラ宮殿は時間が余れば追加、というスタンスです。
ベストな出発時間
リスボンのロシオ駅(またはオリエンテ駅)を朝8時前後までに出る電車に乗ります。これより遅いと開門直後のゴールデンタイム(9:30〜10:30)に間に合いません。
- ロシオ駅 → シントラ駅: 約40分、片道€2.55(2026年7月時点)
- シントラ駅 → ペーナ宮殿: 434バス(周回ルート。24時間乗り放題券€13.50、2026年7月時点) or タクシー(€10程度)
シントラ駅に9時前後に到着し、434バスで一気に山頂のペーナ宮殿へ向かいます。
1. ペーナ宮殿(9:30〜11:00)

開門9:30の20〜30分前に入場ゲート前に並びます。事前にオンライン予約(宮殿+公園€20、2026年7月時点。www.parquesdesintra.pt)していれば直接ゲートへ。宮殿内部は30分刻みの日時指定制で、指定時刻に遅れると入場できません。
ペーナ宮殿は19世紀のロマン主義建築の代表作。フェルナンド2世が中世修道院跡に建てた色とりどりの宮殿で、外観は「カラフルな子供向け絵本」、内部はヴィクトリア朝の重厚さを保ちます。
90分で見学完了するペース配分:
- 1階の王の居室群: 30分
- 2階の女王居室・図書室: 30分
- 中庭・テラス眺望: 30分
11時前後から団体客が押し寄せ、内部の動線が停滞します。9:30の開門直後〜10時半が黄金の写真撮影タイム。

2. ムーア人の城跡(11:15〜12:45)

ペーナ宮殿から徒歩15分でムーア人の城跡(€12、2026年7月時点)。10〜12世紀のイスラム時代の要塞跡で、稜線沿いに城壁が続きます。
ここでは内部建築よりも城壁を歩く体験がメインです。1.5km の城壁を全工程歩くと約60分、シントラの町並みから大西洋までを見渡せる視点を移動しながら楽しめます。
途中、12世紀建造の貯水槽跡が残っており、考古学的にも興味深い場所です。
晴れた日は、ここから対岸の岬「カボ・ダ・ロカ」(ユーラシア大陸最西端)が確認できます。
3. シントラ町中心部でランチ(13:00〜14:30)
ムーア人の城跡から434バスでシントラ駅方面へ下山。シントラ宮殿前で下車し、町中心部で昼食。
おすすめは:
- Tascantiga — ポルトガル料理の小皿(タパス)、店内雰囲気よい
- A Raposa — シントラ名物・キジャダ(チーズタルト)が秀逸
- Casa Piriquita — 1862年創業の老舗カフェ、トラヴェセイロ(クリームペストリー)が名物
時間が余ったら: シントラ宮殿の外観だけ見る
シントラ宮殿は中世から代々の王が居住した宮殿で、特徴的な2本の煙突が街のシンボルです。内部見学は1時間半は必要ですが、外観と中庭だけなら15分で済みます。時間が許せば外観だけ訪問することをお勧めします。
リスボンへの帰路
午後3時台の電車でリスボンへ戻ります。これより遅くなると車内が大変混雑し、座席を確保できません。
夕方リスボンに戻ったら、夜はアルファマでファドのライブハウスへ。シントラの静寂とアルファマの情熱の対比が、リスボン旅行の深さを引き立てます。
行ってはいけない曜日と時間
- 夏期(6-8月)の11〜15時: 観光客集中、ペーナ宮殿で1時間以上待つ可能性
- 冬期(11-2月)の閉門16時前: 山頂は早めに暗くなる、写真は午前のみが現実的
持ち物リスト
- 歩きやすい靴(石畳・階段が多い)
- 上着 or レイヤード(山頂は気温が10℃低い)
- 水(山頂エリアは自販機が少ない)
- 事前予約のチケット印刷 or QRコード
関連記事
- リスボン拠点で → リスボン3日間モデルコース
- ポルトと組み合わせる → ポルト2日間モデルコース
ここにある歴史
この記事で行く場所・食べるもの・見る作品が、なぜそこにあるのか。

アフォンソ1世、十字軍とともにリスボンを奪回
聖地へ向かう途中の北ヨーロッパ(イングランド・フランドル・ドイツ)の十字軍を誘い、ムーア人の城を4か月の包囲で落とした。丘の上のサン・ジョルジェ城はその城で、同じ年にシントラの山上の城も落ちている。展望台になっている城壁は、すべてこの年に持ち主が変わった。
📍 行くなら





